災害支援ナースとは(災害・感染症医療業務従事者)

2022年12月に「医療法」及び「感染症法」の改正により、2024年4月1日より感染症発生まん延時における医療人材派遣等の調整の仕組みについて、災害支援ナースがDMAT・DPATと同様に、国が養成・登録する「災害・感染症医療業務従事者」に位置づけられ、今後の新興感染症及び災害の発生に際して、都道府県・医療機関の協定に基づいて応援派遣されます。

登録から派遣までの流れ



災害支援ナース養成研修 受講
災害支援ナース養成研修 修了 ※修了証が災害支援ナース登録を証明するものとなります
修了者のリスト化 ※都道府県行政・日本看護協会へリストの提出
4リストに基づいて、都道府県行政から未協定施設へ派遣協定への案内
5発災の場合
医療機関に勤務する看護職災害及び新興感染症の発生時は、医療機関と都道府県が締結し協定に基づき、応援派遣されます。
医療機関以外に勤務する看護職・潜在看護職コロナ禍における応援派遣等の実績を踏まえて、各都道府県行政が、地域の実情に応じて都道府県行政と医療機関以外の間で、応援派遣に係る協定を締結した場合は、応援派遣調整の対象となります。
  • 事故補償の対応について、看護支援活動中(出発地と被災地等との移動を含む。)の事故等に対応するため派遣要請県が傷害保険加入。また、災害支援ナースは、第三者に損害を与えた場合に備えて、災害 等発生時 の看護 支援活動も補償の対象に含まれる賠償責任保険制度に加入することが望ましい。
  • 身分保障について、応援派遣は全て「在籍出向」となり、業務として活動できる。

災害・感染症医療業務従事者と災害支援ナースの位置づけ


■派遣手順[県内派遣]

  1. 被災都道府県は、災害支援ナース派遣の必要性を検討
  2. 被災都道府県は、活動地域、活動場所、必要な人数、期間、活動内容等を決定する
  3. 被災都道府県は、速やかに協定締結施設に派遣を要請し、派遣調整を行う

■派遣手順[県外派遣]

  1. 被災都道府県は、県内派遣での災害支援ナースの不足と判断した場合は、他の都道府県に災害支援ナースの派遣を要請することができる
  2. 被災都道府県は厚生労働局医政局に対して派遣を要請
  3. 厚生労働省医政局は、災害支援ナースの活動内容、活動場所、派遣スケジュール等について、他の都道府県と調整し決定する
  4. 災害支援ナースを派遣する都道府県は、被災地都道府県への派遣を受託し、速やかに協定締結施設に派遣を要請する

■大規模自然災害時に対応について
活動時期は、原則として、被災者の救助・救出に係る時期を脱した後、被災地の復旧・復興が始まる前までの看護のニーズが特に高まる発災後3日以降から1カ月間程度を目安とする。
派遣期間は、原則として、移動時間を含めた3泊4日とする。

■新興感染症発生・まん延時の対応について
活動時期は、原則として、移動期間を含めた2週間程度を目安とする。

6平時の場合
平常時から災害発生後の活動に備えて、自己研鑽に努めること。
平常時からの備えについて地域貢献と自己研鑽を兼ねて、防災訓練等の地域での活動に積極的な参加に努めること。

災害支援ナース(災害・感染症医療業務従事者)になるには

災害支援ナース養成研修を受講します。
災害支援ナース養成研修は、「総論」「災害各論」「感染症各論」を含むオンデマンド研修と、「講義」「災害演習」「感染症演習」集合研修を組み合わせた構成になります。各自でオンデマンド研修を受講した後、都道府県ごとに研修会場を設置して行われる集合研修を受講します。

受講要件

災害及び新興感染症の発生時に他の医療機関等に派遣されて、災害支援看護業務及び新興感染症支援看護業務に従事することを目指す者

申込には以下の同意がすべて必要です。

  1. 都道府県行政への情報提供(研修修了者リスト提出)
  2. 改正医療法における「災害・感染症医療業務従事者」の登録
  3. 災害支援ナースの登録(EMIS(広域災害救急医療情報システム)への登録含む)
  4. EMISアカウント登録のための受講申込時のメールアドレスや電話番号(個人)の情報登録
  5. 施設管理者への承諾を得ている者

所属施設のない潜在看護職や、訪問看護ステーションや教育機関等の医療機関以外に所属する方も受講はできます。

その他の注意点

  • オンデマンド研修と集合研修は同じ年度に受講をお願いします。
  • 法律に基づく研修である為、オンデマンド研修の部分的な受講など、本事業以外の利用はできません。また、災害も感染症も一体的に対応体制を整備していくという本事業の趣旨であることから、災害と感染症の両方の講義と演習を受けていただくことになります。
  • 研修修了証が、災害支援ナースを証明するものとなります。

プログラム

講義〈オンデマンド〉20時間(4日間)
総論120分(2時間)災害・新興感染症に係る応援派遣の対応(目的・派遣体制について・養成について・役割)
災害各論540分(9時間)災害医療の基礎知識/災害時に求められる看護支援活動/災害時の感染対策/災害時の心のケア/災害時の看護職員の支援事例
感染症各論540分(9時間)新興感染症の基礎知識/新興感染症患者の治療と観察ポイント/新興感染症患者の看護/新興感染症患者の集中治療管理/新興感染症患者の看護
演習〈集合研修〉10時間(2日間)
1日目講義60分(1時間)兵庫県における災害・感染症に係る応援派遣時の看護支援
災害270分(4時間30分)派遣決定から出発までの準備/支援者としての心構え/活動場所の違いによる活動の特徴(医療機関、避難所)/CSCA(TTT)/方針に沿った活動
2日目感染症270分(4時間30分)感染拡大・重症化の予防/安楽呼吸を保つため看護/多職種連携による医療提供/患者・家族へのケア/看取りケア・死亡時の対応

申込方法 *令和7年度はただいま準備中です。今しばらくお待ちください。

  • 研修サイトマナブルからの申込となります。
  • 所属長を通じて施設単位で申込をお願いいたします。所属先がない方のみ、個人単位で申込をお願いいたします。
  • 令和7年度の開催は1回と予定しております。集合研修は10月8日(災害編)・10月15日(感染症編)、eラーニング受講は9月中と予定しております。

更新について

  • 登録更新は5年ごとに行います。(登録された当該年度およびその後4年間を、災害支援ナースとしての登録有効期間になります。)
  • 登録有効期間において、更新を目的とした研修に1回以上参加する。登録有効期間内に当該研修に参加しなかった場合は、更新されません。

変更について

  • 年1回、登録施設の管理者へ所属確認を行いますが、氏名・自宅・勤務先など変更になった場合は、必ず下記更新フォームより変更をお願いいたします。

災害支援ナース登録票更新フォーム

解消について

  • 災害支援ナース解消希望の場合は、様式(解消届)を本会まで送付をお願いいたします。
  • 一度、解消届を提出された場合、再度、災害支援ナースに登録するには、再度、災害支援ナース研修を受講する必要があります。※休止届措置は無くなりました。

その他

  • 旧災害支援ナースの方(2023年度末までの登録者)は、令和8年(2026)3月末までに、2023年度より開始した「災害支援ナース養成研修」の受講をお願いいたいします。※2025年度実施する研修までとなります。
  • 2023年度末で、旧災害支援ナース登録システムは終了しております。
  • 他府県に移動をされる場合について、災害支援ナースとしての登録は継続されます。移動された施設管理者へ報告をお願いします。(研修修了証をもって、移動先の都道府県の修了者として取り扱うことが可能である。)

外部リンク 

日本看護協会 災害看護

お問合せ先

公益社団法人兵庫看護協会
災害・健康危機担当
電話 078-341-0255(直通)平日9時~17時半