令和6年度 認知症看護認定看護師教育課程(B課程)開講の報告

 令和6年4月10日に令和6年度認知症看護認定看護師教育課程(B課程)の開講式があり4期生19名を迎えました。7月まではeラーニング学習と毎月1回3日程度の協会での集合研修を行い、7月下旬から認知症看護について集中講義が始まります。本教育課程を通じて、認知症看護の専門家として貢献できるように学びを深めてまいります。


受講者代表者 「誓いのことば」より(一部抜粋)

 暖かな春の日差しが心地よい、今日の良き日に、私たち19名は兵庫県看護協会認知症看護認定看護師教育課程B課程の開講式を迎えられたことを、大変嬉しく思っております。
 認知症新薬の承認や認知症基本法の施行など、認知症の方やご家族を取り巻く社会環境は、大きく変わり始めています。しかし、認知症に対して様々な関心が寄せられる一方、医療現場では、誤解や偏見により意思が尊重されにくい現状が残っています。さらに、急性期病院においては、身体疾患治療のため入院を余儀なくされる認知症の方は増加しており、入院による環境の変化や苦痛から混乱が生じ、対応に苦慮するケースが多々あります。そして、私たちの関わりが認知機能症状や行動・心理症状に与える影響は大きく、日々、認知症看護の大切さと難しさを実感しています。その中で、認知症の方の思いを汲み、寄り添った関わりができているのか、尊厳を守る関わりができているのか、いつも自問自答しながらケアを模索しています。自分なりに認知症看護に関する知見を深めてきたつもりでも、対応に難渋するスタッフに対して、根拠に基づく適切な助言が出来ず、自信を持って指導できるだけの知識を有していないことを痛感してきました。
 私たちはこれから、本教育課程で認知症看護分野における専門的知識と、高い水準の看護実践能力を養い、尊厳を守る関わりを自ら実践することで役割モデルとなり、「実践・指導・相談」がおこなえる人材へと成長できるように、研鑽を積んでまいります。そして、認知症の方が安心して治療を受けられる環境、住み慣れた地域で自分らしく暮らせる環境を調整できるように、努力していきます。
 今日のこの気持ちを忘れることなく、共に歩み始める同じ志を持つ仲間と切磋琢磨し、それぞれの職場や地域で貢献できるように全力を尽くしていきます。
 最後になりましたが、快く送り出してくださった各所属施設の方々、これからご指導いただく講師の方々や関係者の皆さま、傍らで支えてくれる家族への感謝の気持ちを忘れず、日々精進していくことをここに約束し、誓いの言葉とさせていただきます。

令和5年度 認知症看護認定看護師教育課程(B課程)修了報告

 令和5年4月12日に開講した認知症看護認定看護師教育課程(B課程)は令和6年3月8日に修了しました。
 1年間認知症の方を全人的にとらえるために講義、実習、ケースレポートを通して学び、認知症看護を深めていきました。様々な課題を乗り越えながら3期生全員で乗り越えました。
 ご講義いただいた講師の方々をはじめ、認知症看護分野の実習と特定行為実践においてご指導を賜りました看護管理者様、指導者様に深く感謝申し上げます。





修了者代表のあいさつより(一部抜粋)


 私たちはおよそ一年前に、この兵庫県看護協会の認知症看護認定看護師教育課程B課程に入講いたしました。当時は無事この一年間を乗り切れるだろうか、知識や技術をしっかりと身に着けることができるのだろうか、と不安でいっぱいでした。最初のeラーニング期間では、孤独との戦いでしたが、多くの専門的知識を学ぶことができ、自分の知識が増えていくのをうれしく感じました。集合研修が始まってからは、認知症の病態からケアマネジメント、生活支援といった認知症看護の専門的な知識を深く学ぶことができました。また名高い講師の方々から知識だけでなく、認知症看護に対する熱い思いをお伝えいただき、私自身も認知症の人たちが自身の強みを活かし、自分らしく生活できる支援をしていきたいという、強い思いが芽生えるきっかけにもなりました。臨地実習では、実際の患者様と関わり、実践だけでなく指導、相談といった認定看護師としての役割も体感できました。そして、実際の認知症の患者様とのコミュニケーションや生活支援といったケアの方法に悩み、また自身の看護を言語化することに難渋しましたが、全力で取り組んだからこそ得られる経験は多かったと感じました。その後のケースレポートでは、臨地実習での看護を言語化でき、自身の看護の意味づけが少しずつできたことで、認知症看護を行うものとしての自信につながりました。
 この一年間、私自身が成長できたのは、どんな時でもしっかりと意見を聞き、受け入れてくれ、そこから違う視点で新たな気づきを与えてくれる受講生の仲間がいたからだと感じております。考え方の違いを受け入れ、互いに尊重し合うことが、自分だけでは思いつかない視点、考え方を学ぶことにつながり、大きく成長できたと実感しています。互いに研鑽し合える仲間に出会えたことに心から感謝し、今後もこの仲間を大切にしていきたいと思います。
 私たちは、今後、認知症看護認定看護師としてそれぞれの所属する施設に戻り、自施設でその役割を果たしていきます。本課程で学び得た知識・技術を用いながら、認知症の人たちのことを第一に考えて、活動していきます。いつか進むべき方向に迷ったときは、この一年間の本課程で学んだこと、感じたことを思い出し、また進むべき方向に歩んでいきたいと思います。