研修報告

  • 開催日時:令和5年1月16日(月)13:30~16:30
  • 会場:兵庫県看護協会 3階研修室3

講師紹介

新井 祐恵 氏
(甲南女子大学 看護リハビリテーション学部)

受講者数

会場受講46名

プログラム

  1. Z世代、Y世代、X世代の特徴と基礎看護教育の背景と特徴
    ・コロナ禍が基礎教育現場と臨床教育現場に及ぼした影響について
    ・新人看護師への効果的な教育方法、スキルなど
  2. グループワーク
    1回目(新人看護師と先輩看護師は別のグループで実施)
     ・ジェネレーションギャップについてそれぞれが思うこと
    2回目(新人看護師、先輩看護師同じグループで実施)
     ・相手を理解するためのコミュニケーションや効果的な教育体制について
     ・相手を変えるのではなく自分が変わる視点を見つける

グループワーク風景

講義スライドより


受講者の声(新人看護師)

  • Z世代と呼ばれて、打たれ弱いと思われているかもしれないが、すべてがあてはまるとは思わない。
  • 先輩看護師から指導を受けた時、それぞれ違うアドバイスを受けることがあり、何が合っているのか 戸惑うことがある。
  • 怒られるときは一方的な時が多く、あとからあの時言ってくれたらよかったのにと言われることがあり、その時言える雰囲気なら言っていたのにと、あとあと引きづってしまう。
  • 処置や技術など、できるよねと聞かれると不確かであってもできないと言いにくい。
  • 課題を提出するようにいわれた時、入職数か月はいつまでかを言ってもらえたが、いつの頃からか、期限があるのかないのか困ることがある。
  • 先輩の顔色をうかがいながら、ちゃんと返答してくれる先輩を探してしまう。
  • 質問したいことがあるときに、忙しくしている先輩に声を掛けにくく、返答してもらえても、いい顔をされない時がある。
  • 学生時代に実習が少なかった分、患者と接する時や患児の親御さんと接する時は緊張する。
  • 日頃の悩みを相談できる相手は、この人なら頼れるという先輩や両親、同期である。
  • 習得した知識や技術をチェックリストで評価したり、課題について先輩看護師に確認してほしい時に、忙しい中で時間をつくってもらって確認してもらわないといけないので申し訳ない気持ちになる。
  • Z世代の新人と言われるが、先輩たちの新人時代の特徴を聞くと指導などとても厳しかったということがわかった。

受講者の声(新人看護師)

  • Z世代としての対応に注意がいきがちだが、個々により素直ないいところがある。
  • 自己学習については出元が不明瞭な資料のコピーを張り付けていることもある。
  • 指導を担当する人以外の先輩看護師にも、Z世代について理解してもらわないと、新人を指導する時に偏ったイメージのままとなってしまう。自分たちにも新人時代があったように、世代の違いを理解して受け入れようという気持ちはある。
  • 学内実習が多く実際の患者と接する機会が少なかったせいか、患者とのコミュニケーションが上手くとれない。また面会制限の影響で家族への説明、指導の機会が少なくなっている。
  • 想像力が乏しく、言われた通りのことしかできない。新人のこの特性をよく理解した上で、指示は細かく伝えることが大事である。
  • 以前のような食事会などが自由にできない状況の中で、お互いを知る機会が減っているため、帰宅時間が合ったりすると言葉を交わしたり、時間をみつけてお互い理解しようとしている。
  • 先輩側から声をかけるなど、新人が声掛けやすい雰囲気をつくり、聞かれたときに即答できない時は、具体的に何分後にとか時間をとって返答することを伝える。

担当者より

アンケートより、新人看護師からは「出来る事、出来ない事は明確にして先輩に伝える」等先輩へ自ら声をかけようと思った」また、先輩看護師からは「新人看護師の話しやすい雰囲気を作る」「具体的に相手に伝える」といった新人が声をかけやすい場つくりの意見が多く見られました。

受講生の大半が上司の勧めで参加していましたが、研修のねらいの達成や理解について、全体の9割は「達成した」「まあまあ」と感じており、研修のねらいは達成したと考えます。受講者からは、先輩の意見がきけた、新人の気持ちがわかった、普段聞けない意見がたくさん聞けた等、相手の意見を聞くことができ、相手の立場を理解した対応を考えることができたようでした。